
塗装職人として働いていると、「もっと上手くなりたい」「もっときれいに塗れるようになりたい」と思うものです。
もちろん、技術を磨くことはとても大切です。
しかし、長く現場を経験していると、もう一つ大切なことに気づきます。
それは、「上手い職人」と「任せられる職人」は、必ずしも同じではないということです。
現場で本当に必要とされるのは、技術があるだけではなく、
「この人に任せておけば大丈夫」
そう思ってもらえる職人です。
任せられる職人は、自分で考えて動ける
現場では、毎回すべてを細かく指示してもらえるわけではありません。
今日どこまで進めるのか。
次に何が必要になるのか。
他の職人はどこで作業しているのか。
周囲の状況を見ながら、自分で考えて動く必要があります。
経験が浅いうちは、分からなければ聞けばいい。
大切なのは、言われるまで何もしないのではなく、「次は何をすればいいのか」を考える習慣をつけることです。
この積み重ねが、少しずつ「任せられる職人」につながっていきます。
段取りができる人は、仕事も強い
塗装の仕事では、実際に塗っている時間だけが仕事ではありません。
材料を確認する。
道具を準備する。
養生をする。
作業する順番を考える。
次の工程を想定する。
こうした段取りがしっかりしていると、現場はスムーズに進みます。
反対に、どれだけ塗る技術が高くても、材料が足りない、道具を忘れる、次の作業を考えていないとなれば、現場全体が止まってしまうこともあります。
良い仕事は、良い段取りから始まる。
これは職人として経験を積むほど分かってくることの一つです。
周りと仕事ができることも大切な技術
現場は一人で動いているわけではありません。
同じ班の仲間だけでなく、現場監督や他業種の職人など、さまざまな人が働いています。
自分の作業だけを考えるのではなく、周囲の状況を見る。
必要なことは声を掛ける。
困っている仲間がいれば手を貸す。
こうした行動ができる職人は、自然と周囲から信頼されるようになります。
職人の技術というと、刷毛やローラーの使い方ばかりに目が行きますが、人と協力して一つの現場を完成させる力も、大切な職人の能力です。
見えないところに、その人の仕事が出る
塗装工事には、完成すると見えなくなる工程がたくさんあります。
下地処理や細かな補修、養生などもその一つです。
「どうせ見えなくなるから」
そう考えて手を抜けば、後になって仕上がりや耐久性に影響することがあります。
誰かに見られているから丁寧にするのではなく、見られていなくても当たり前に丁寧な仕事をする。
こうした姿勢が、少しずつ信用になっていきます。
トラブルのときこそ、職人の姿勢が見える
現場では、いつも予定通りにいくとは限りません。
思っていた以上に下地が傷んでいたり、施工中に問題が見つかったりすることもあります。
そんなときに、
「自分には関係ない」
と考えるのか、
「どうすれば解決できるか」
と考えるのか。
そこにも大きな差が出ます。
問題が起きない職人になることも大切ですが、問題が起きたときに逃げずに向き合える職人になることも大切です。
「またお願いしたい」と言われる職人へ
本当に信頼される職人は、ただ塗装が上手いだけではありません。
仕事が丁寧で、約束を守り、周囲に気を配り、自分で考えて行動する。
そして任された仕事に、最後まで責任を持つ。
そうした毎日の小さな積み重ねによって、
「次の現場もこの人にお願いしたい」
と思ってもらえるようになります。
職人として技術を磨くことに、終わりはありません。
それと同じくらい、人から信頼される仕事を積み重ねることも大切です。
富士塗工でも、ただ「塗装が上手い職人」を目指すのではなく、仲間からも、お客様からも、現場を任せる人からも信頼される職人を育てていきたいと考えています。
上手い職人から、任せられる職人へ。
その先に、本当に必要とされる職人としての成長があります。
